人生は、しばしば旅にたとえられる。その場合、旅の終わりは「死」ということになるのだろうか。遠く離れた土地で抱いた気持ちを文章にしていくことは、翻って自らの人生を捉え直すきっかけとなった。死を想うと、生が明滅してスパークする。突き動かされるようにして、オリジナル棺桶を作りにアフリカはガーナへ渡ったメレ山メレ子。時を同じくして手に入れた新居に、ついにポテト・コフィンがやって来た…!メレ山メレ子が「旅と死」をテーマに綴るエッセイ、その名も『メメントモリ・ジャーニー』! (amazonの説明欄より引用)
装丁の可愛さに惹かれて購入。
ビジュアル的にごきげんな旅行記かと思いきや、全然そんなんじゃなくて、とても内省的なエッセイだった。
冒頭の部分で、メレ山さんの旅に対する捉え方にとても共感して引き込まれた。
「旅先で見ていたのは絶景じゃなかった」
っていう帯文はほんとに端的にこの本を表してると思う。
どこでなにしたっていう表面的なことだけじゃなくて、筆者の心の動きや思考が丁寧に書かれているから読みごたえがあった。
人の人生を見させてもらってるな、って感じ。
動物の剥製づくりに参加したりガーナで棺桶つくったりと、やってることはかなり突飛だけど、そのどれもが彼女の人生をかたちづくるうえでの大事な1ピースとして機能しているのが面白かった。
メレ山さんはいろんなところでいろんなことをするわけだけど、そのどれもが本当に魅力的。
全部私もやってみたくなっちゃった。
棺桶職人のゆるさみたいなユーモアもありつつ、旅とか人生とか生き死にとかについて考えさせられる作品。
自分の人生を自分の心地良いようにつくっていくための努力を、私もしていかないとなあと思った。